切り花を長持ちさせるために重要な3つの作業
切り花を長持ちさせるために必要なこと
もらった花束、お花屋さんで買ってきたお花、少しでも長持ちさせたいものです。せっかく綺麗に飾っても2〜3日で枯らせてしまうのはもったいないです。今回は、意外と周りで知らない人が多かったことから「切り花を長持ちさせるために必要なこと」をご紹介します。
大きく分けて、大事なポイントは3つあります。
① 水切り
② 水揚げ(水上げ)
③ 水換え
この3つのポイントに分けて見ていきます。
正しい「水切り」方法
買ってきたお花や頂いた花束など、飾る前には、まずこの「水切り」が必要な作業です。切り口の状態が悪いと十分な水を吸い上げることができず、水に差していても水不足という状態に陥ってしまいます。
水切りとは、茎の最下部を切り落とす作業ですが、ただハサミで適当に切れば良いというものではないことをご存知でしょうか。ここでは以外に知られていない、正しい「水切り」の方法をご紹介します。
この「水切り」の作業に気をつけるポイントが3つあります。
1つ目は、水の中に切りたい部分が浸かっている状態で茎を切るということです。なぜ、水の中で切るのかというと、切り口が空気に触れない状態で切るためです。切るときに空気に触れる状態で切ってしまうと、切り口から空気が入り、水を吸い上げる際にこの空気が水の通り道を邪魔をしてしまうためです。
2つ目は、よく切れるハサミやナイフでスパッと切ることです。(なるべく剪定バサミ等、お花専用のハサミを一つお持ちになることをお勧めします。)なぜ、ここにこだわるかというと、茎には、水や養分を吸い上げるための管が通っているわけですが、切れ味の悪いハサミで切ると、切る際にその導管を潰してしまい、これもまた、入り口を塞いでしまうことで水の通り道を邪魔してしまうためです。
3つ目は、斜めに切り落とすということです。この理由はとても単純で、まっすぐに切るよりも斜めに切る方が、断面の面積が大きくなることから、水を吸い上げやすい状態にすることができるからです。
「水切り」の作業は、毎日行うことが理想的ですが、なかなか毎日行うことが難しいのが現状かと思いますので、その場合は、最低限、水換え毎に水切りをするようにします。
さらに高度な「水切り」以外の処理方法
紫陽花(アジサイ)や薔薇(バラ)などの茎の太いものの水揚げには、「焼き上げ」という方法があります。これは、切り口から2〜4センチほどの部分を炭化するまで火で炙るという方法です。焼いた後は、速やかに用意したバケツに入れ、シャキッとするまで水揚げさせます。
また、私の経験から、紫陽花の場合は、焼き上げよりもさらに長持ちさせる方法として取り入れている方法があります。それは、まず、基本的な手順で水切りした茎の切り口から2センチほどを、刃先や爪楊枝等を用いて、茎の中をくり抜くという方法です。
硬い茎表面とは違い、内側はスポンジのような状態になっているので用意にくり抜くことができます。この処理をすることで、切り花としては命が短いと言われがちな紫陽花も、他の花に負けない、もしくは、他の花より長持ちさせることができ、とても長い期間、花を楽しむことができています。
正しい「水揚げ(水上げ)」方法
正しい「水切り」ができたら、次は「水揚げ」です。正しい「水揚げ」とは、正しい「水切り」が必須条件です。正しい「水切り」ができたら、水を吸い上げ元気な状態にするための保護をします。特に花の部分がくたっとなっている場合は、新聞紙などで優しく包んで花を支えた状態で水をたっぷり入れたバケツに差し、半日〜1日程度置くことで「水揚げ」できます。
正しい「水換え」方法
花瓶に差したお花の水が減ってきたとき、あなたはどうしていますか。ここでは、正しい「水換え」の方法について紹介します。水換えごときに、正しいも正しくないも無いでしょ!と言う人も多いのですが、そんな人に限って「水換え」自体をしておらず、「水増し」で済ませていたりすることにしばしば驚かされます。
前述にも簡単に書きましたが、植物が弱ってしまったり、枯れる時期を早めてしまったりする主な原因は、水不足です。水に浸かって入れば水不足に陥らないという勘違いをしないように注意が必要です。茎の切り口が弱っていたり、水質が悪いと、いくら水に浸かっていても植物は水不足に陥ります。
そのため、花を長持ちさせるためには、水質は重要な要素です。清潔な水を保つよう、日々の水換えがとても重要ということです。目安としては、暑い時期は毎日の水換え、春・秋の少し涼しいは3〜5日毎に水換え、寒い時期は5〜7日毎には水換えが必要です。(毎日の水換えが可能な方はもちろんそれがベストです。)
※ 寒い時期でも、リビング等ずっと暖かく保たれている場所に飾っている場合は、真冬でも3〜5日毎に水換えが必要です。
水換えをする際は、花瓶の中を洗浄することも忘れずに行います。せっかく水を換えても、花瓶の中に雑菌やぬめりが残っていると水を換えても、そこに差す花たちは清潔な水を吸えない状態ということになります。また、切り口を再度水切りをし水を吸い上げやすい状態にしておくこともお忘れなく!今日から「水増し」は辞めて、正しい「水換え」をすることで、花の命を大切にしてみてください。
これからあなたの元にやってくる花たちは幸せ
少しオカルト的な話になるかもしれませんが、お花には命が宿っています。ここで記載する命というのには二つの意味があるのですが、ひとつは、枯れる時に失う命のことです。もうひとつは、魂とでも表現すれば伝わるかもしれない命についてです。
どこかで耳したことがあるかもしれませんが、同じ花を2つ用意して、水換え等は同条件にした上で、一方には「かわいいね、綺麗だね、いいね、ありがとう」などプラスの言葉を毎日話しかけ、もう一方には「汚い、嫌い、いらない、邪魔」などのマイナスの言葉を毎日投げかけるor完全に無視するということを実施した場合、花の状態に変化があるというお話です。
「綺麗だね」等プラスの言葉を毎日話しかけた方のお花は、元気に綺麗に咲き続けているのに対し、「汚い」等マイナスの言葉を投げかけた方のお花は、元気をなくし枯れてしまった、という結果がしばしば聞かれます。こういった類の話は、信じるか信じないかは、個々の考え方によりますので、本当だ!と言い切ることはしませんが、私自身は、花には魂が宿っていると思っています。
花には大きなエネルギーがあります。もちろん、生きているものですので、生命力というものが宿っているのは間違いないのですが、それだけでなく、自分に起きる不調を代わりにもらってくれたり、こちらが大切にする気持ちが伝わるものだと考えています。
自分のところにその花がやってきたということは、運命や宿命の中に、その意味があってやってきたということです。「ものを大切にする」という当たり前のことの延長ではありますが、特にモノと動物の間のような位置にいる「植物」という存在をもっと動物に近い感覚で扱うようになれたら、あなたの心とあなたの周りで起きる事柄はもっと豊かになるかもしれません。
最後に、花たちをはじめとする植物たちは、暖房や冷房の風が直接あたるところは苦手です。花を飾るとき、そういった環境にも目を向けてみてください。私たち人間が不快に思うような環境下は、植物たちにとっても不快で辛い環境下だと理解して良いと思います。正しいお世話の方法を取り入れ、あなたの元にやってきた植物と心地よい時間をお過ごしください。